賃貸経営は土地なしでも始められる?必要な資金と土地の選び方

マンション経営

2022年7月14日

賃貸経営だけでもハードルが高いのに、土地なしの状態から始められるのか?と疑問に思うでしょう。「土地活用」という言葉があるように、アパートやマンションなどの賃貸物件を経営するには土地を持っていることが必須のようにも思えます。

しかし、現在土地を持っていなくても、土地の取得から始めて賃貸経営を軌道に乗せることは可能です。ただし、土地を取得しなくてはならない分、土地を持っている人よりは初期費用がかかります。

だからこそ、賃貸経営を成功させるにはどうすれば良いか、ポイントを押さえて計画を進めることが大切です。

そこで今回は、土地なしの状態から賃貸経営を始める方法について、費用も含めて詳しく解説します。

自由に選べる!賃貸経営を土地なしで行うメリット

土地を持っていない状態で賃貸経営を始めるなど、かなり不利な状態なのでは?と思われるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。

収益性の高いエリアの土地を選べる

賃貸経営を成功させるには、何よりも立地が重要です。賃貸なので、部屋を借りて住んでくれる人がたくさんいるエリアでなくては経営が成り立ちません。空室が多いほど収益は減少しますので、常に満室の状態を維持することが賃貸経営成功のカギなのです

すでに土地を持っている人は、その土地にあった活用法しか選べません。賃貸経営をしたいと思っても、そのエリアで賃貸の需要がない場合、他の方法を探すしかないでしょう。

しかしこれから土地を探すなら、賃貸に適した土地を探せば良いのです。ですから、今土地を持っていないことはデメリットなだけではなく、大きなメリットでもあるのです。

理想のアパートに適した土地を選べる

土地は、立地条件も大事ですが、どのような形をしているかも重要です。間取りをどうしたいかによって1戸あたりの面積が違いますし、その部屋を何戸作るのかを考えるのにも土地の広さと形が関係してきます。

リサーチの上ターゲットを決め、このくらいの部屋数で、このような間取りの物件を建てたいという計画があれば、それに適した土地を探すことができます。

お金がかかる!賃貸経営を土地なしで行うデメリット

土地がない状態で始める賃貸経営には、もちろんデメリットもあります。主に、費用に関することです。

土地の分だけ費用がかかる

建物を建てる際にも費用はかかりますが、土地も購入しなくてはならないので、当然ですがその分費用がかかります。

購入費用+諸費用がかかるので、資金計画をしっかりと立ててから着手しなくてはなりません。

年収によってはローン審査に通らない

自己資金だけで賃貸経営を始められる人は少ないため、ローンを組むことになります。建物+土地となるとそれなりの金額になるため、年収が高くないとローンを組めない可能性があります。

年収が低い場合には、自己資金を貯めてからローン審査を受けた方が良いかもしれません。

賃貸経営を土地なしで始めるときに必要な資金

では、資金計画を立てるためにも、土地なしの賃貸経営にはどのくらいの費用がかかるのかを知っておきましょう。

土地と建物の建設費は規模によって変わってきますので、それ以外に必要となる資金について説明します。

諸費用は物件価格の1割程度

賃貸経営を始めるには、建物を建てるだけではダメで、入居者を募集しなくてはなりません。そのためには不動産会社に仲介をお願いすることになりますから、仲介手数料がかかります。一般的には1ヶ月分の家賃と消費税です。

他には、土地や建物の購入に関する諸費用として、以下のものがかかります。

  • 土地と建物の登記費用
  • 不動産取得税
  • 物件の頭金(手付金)
  • ローンを組む際の事務手数料
  • 契約書に貼る印紙代

これらは基本的に現金で支払う必要があるので、物件の価格に応じて用意しておくと良いでしょう。

賃貸経営にかかる維持費

建物が建ったからといって、直後から収益が上がるわけではありませんから、経営が軌道に乗るまでの維持費を見込んでおく必要があります。

費用金額
火災保険料10〜40万円(建物の規模、構造、保険の種類によって違う)
管理会社への委託費3〜8%
共用部分の光熱費1万円程度
定期清掃(月1回)5,000円

賃貸経営を始めるのに自己資金はどのくらい用意すべきか?

現金で支払わなくてはならないものもありますし、ローンを組むのにも頭金が多い方が審査には有利です。ではいくらくらい自己資金があると安心なのでしょうか。

土地と物件の価格にもよるのですが、一般的には物件購入価格の20%、最低でも10%は必要だといわれています。2,000万円の土地に3,000万円のアパートを建てるなら、合計で5,000万円ですから、500万円〜1,000万円必要になるということです。

すぐに満室になるとは限りませんし、賃貸は滞納のリスクもあります。自己資金は多いほど安心です。

▼マンション経営に必要な初期費用はこちらの記事を参考にしてください!

成功を左右する、賃貸経営に適した土地の選び方

賃貸経営を成功させるためには、立地が何よりも大切です。どのような土地を選べば良いのか、そのポイントをまとめました。

賃貸物件の需要があるか

土地活用にはいろいろな方法があります。賃貸経営をしたいなら、その土地に賃貸の需要がなくてはいけません。たとえば、目をつけたエリアの賃貸物件を調査してみます。

もし、満室状態が続いているなら賃貸の需要があると考えられます。逆に空き室が多ければそのエリアでは需要が低く、赤字経営になる可能性があります。

また、人口の推移も重要です。今後も人が増える、もしくは減らない要素があれば良いのですが、人口の推移を見て減少傾向にある場合は注意が必要です。今は良くても将来的に需要が減る可能性があるからです。

賃貸経営は10年、20年と続けていくものですから、先の需要を考えることも大切です。

▼立地についてはこちらの記事も参考にしてください!

交通の便が良いところ

誰しも、通勤や通学に便利な場所の方が住みやすいと思うものです。その駅に急行が止まるか、各停しか止まらないのか、始発駅なのかなど駅の条件によっても人気の度合いは変わってくるでしょう。

駅に近いほど賃貸物件は人気がありますし、家賃も高めに設定できます。駅から徒歩10分以内のエリアがおすすめです。

駅から遠いなら駐車場・駐輪場を確保

駅に近いエリアは土地の価格も高いので、できるだけ費用を抑えたいというときには、徒歩以外の方法で駅に行けるよう、駐車場や駐輪場の場所も含めた土地を探せば良いのです。たとえば、単身者向けのアパートであれば、人数分の駐輪スペースを確保できれば良いでしょう。

利回りとのバランスも大事

「住みたい街ランキング」に入るような人気のエリアであれば需要も高く、空き室リスクも低いです。しかし人気のエリアは土地の価格も高くなりますから、ローンの負担も大きくなります。

表面利回りは「年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100(%)」で計算しますので、土地の取得に費用がかかれば、その分利回りが小さくなるということです。

人気が高く需要があるというだけで選ばずに、利回りとのバランスも考えなくてはなりません。

賃貸経営を土地なしで成功させるためのポイント

土地なしで賃貸経営を始めて軌道に乗せるには、自己資金と土地選びが重要なポイントとなります。

年収をあげること

金融機関が融資に積極的になるのは、年収600万円以上であるといわれていますが、ローン審査をスムーズに通過するためには、年収が高いに越したことはありません。

もし年収が500万円以下の場合には自己資金が貯まるまで待つか、大手の金融機関ではなく、地元の信用金庫を利用した方がローンの審査に通りやすいです。

ある程度の自己資金を用意すること

年収が高くても、自己資金はできるだけあった方が後の経営が楽になります。土地+物件価格の2割以上を目指して自己資金を貯めましょう。

土地を買う前に必ず現地を自分の目で視察すること

賃貸経営がうまくいくかどうかは、土地選びにかかっています。ですから、土地を選ぶときにはインターネットの情報や不動産会社の話だけでなく、実際に自分で現地に足を運ぶことも大切です。

その土地にアパートが建った時、自分が住みたいと思える街なのか、周辺環境はどうなっているかなど、自分の目で確かめることによって、本当にその土地が賃貸経営に適しているのかがわかるでしょう。

ワンルームにして戸数を増やす

土地が決まったら、どのようなアパートを建てるのかを考えます。広い間取りで家賃を高く設定するよりも、ワンルームにして家賃を下げ、戸数を増やした方が収益は上がりやすいです。

特に、沿線に大学があるエリアなら、学生の需要が見込めますし、社会人になってもそのまま住み続けてもらえる可能性もああります。

まとめ:土地なしでも賃貸経営は始められる!

賃貸経営を行う時、土地がないとできないと思っている人が多いのですが、土地がなくても可能です。むしろ、賃貸経営に適したエリアで、理想の物件を建てられる土地を探すことができるので、土地がないことがむしろメリットになることもあります。

ただし、土地を購入する分だけ初期費用がかかりますから、土地+物件価格の2割程度の自己資金は用意しておきましょう。年収は高いほどローンの審査に有利ですが、最低でも600万円以上ないと難しいです。

賃貸経営は土地選びがとても重要ですから、賃貸の需要がある地域かどうかを見極めることが経営成功の鍵を握っています。しっかりと調査をして、賃貸向きの条件を備えた土地を探しましょう。

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