土地活用の種類11選!その土地に最適なタイプ別活用法のまとめ
土地活用
2022年6月23日
土地活用をしたいと思っているけれど、どのような方法が良いのか迷っている方へ、たくさんある土地活用の方法をタイプ別にご紹介します。
家を建てる方法、商業施設を建てる方法などがありますが、その土地にあった方法を見つけないと収益を得ることはできません。また、無理なく運営してくためには、初期投資と収益のバランスを考えることも重要です。
今回はおすすめの土地活用の方法をご紹介するとともに、土地活用の方法の選び方についてもあわせてお話しします。
目次
土地活用の種類を選ぶ前にやるべきこと
土地活用にはたくさんの種類があるので、どれがいいか目移りしてしまうと思います。しかし、それぞれの土地にあった活用法がありますし、その土地がある場所によって建築可能な建物の大きさも決まっているのです。
広い土地に高層マンションを建てて利益をあげよう!と思っても、高さの制限があるなど法的な制約があることも。
また、そもそもその土地にマンションのニーズがあるのか、そこから調べなくてはなりません。やりたいことをやれば利益が生まれるわけではないのです。
- そのエリアにどのようなニーズがあるか
- 用途地域による用途制限
- その土地に建てられる建物の大きさ(建ぺい率、容積率)
などを調査しましょう。
土地活用の種類1・そのまま土地を貸す
あまり費用も手間もかからずすぐにでも始められるのはそのまま土地を貸す方法です。ただ所有しているだけですと、何もしなくても固定資産税が取られてしまいますが、貸せば賃料が入ってきます。
マンションやアパートを建てて経営するよりは収益が少ないものの、経営のリスクなく安定して収入を確保したい人に向いている方法です。
ただし一つ注意する点があります。「普通借地契約」にすると、契約期間が満了しても借主が契約更新を希望した場合に貸主が拒否できない場合があるということです。
いつになっても土地が戻ってこないということも考えられるので、定期借地契約の方が安心です。
土地活用の種類2・住宅として活用する方法
次にご紹介するのは、建物を建てて収益を得る方法です。土地活用の王道ともいえます。
アパート経営
アパート経営は、家賃収入を得られるだけでなく、アパートそのものが資産になります。家賃は景気の影響を受けにくく、長期にわたって安定的に収益を生み出してくれますし、万が一のときは売却するという方法もあるからです。
アパートは一部屋があまり大きくないため、単身もしくは2人世帯の需要がある地域の土地に向いています。
マンション経営
アパートよりも規模が大きいのがマンション経営です。建築費用や維持管理費用がかかりますが、その分収益も大きくなります。
マンション経営はなによりも立地が重要であるため、交通の便がよく、駅から徒歩10分以内の土地に向いています。
賃貸併用住宅経営
小規模な土地で、自分も住む部分も作るなら、賃貸併用住宅がおすすめです。自宅部分を51%以上にすれば住宅ローンも利用できますので、アパートローンよりも低い金利でお金を借りられます。家賃収入でローンを支払えることから収益化も早いでしょう。
自宅を賃貸にしていることで相続税対策にもなりますし、将来的には賃貸部分に家族を住まわせるなどして二世帯住宅としての利用も可能です。
高齢者向け住宅
賃貸物件としての需要がないエリアであれば、高齢者向けの住宅として施設の運営事業を行なっている企業に貸し出すという方法があります。
アパートやマンションと違い、駅から遠い、周辺にスーパーなど生活関連施設が少ないといった立地条件でも十分収益化を見込めます。
これから高齢者は増える一方ですから、需要がなくなることはないでしょう。初期投資がややかかるものの、将来にわたって安定的な収入が得られる活用法です。
土地活用の種類3・商業施設として活用する方法
アパートやマンションを建てるほどの広さがなければ、別の施設を建てる選択肢があります。
駐車場
月極駐車場、もしくはコインパーキングという方法がありますが、いずれも住宅建設と比べれば初期費用は少ないです。
住宅地であれば月極駐車場、駅や商業施設の近くで駐車場が少ないエリアならコインパーキングの方が需要があるでしょう。そのエリアで、どちらの方が需要があるか、よく調査することが大切です。
地震や自然災害の被害の影響も受けにくく、専門の業者に土地を一括刈借り上げしてもらうサブリース契約なら導入・管理の手間もなく土地活用を始められます。
トランクルーム
近隣にファミリー世帯が多い地域なら、荷物があふれて収納に困っていることも考えられますので、トランクルームの経営が向いているかもしれません。また、オフィスビルのある地域でも需要が見込めます。住宅と違い、メンテナンスの費用が少なくて済むのもメリットです。
土地活用の方法としては駐車場経営と似ており、初期費用も少なく、一括借り上げ方式にすればトランクルームの設置も管理も全て業者にお任せできます。収益を高くしたいなら、トランクルームは自分で購入して管理だけを任せるという方法もあります。
コインランドリー
トランクルームを設置するにはコンテナを運び込めるだけの広さがなくてはならないのですが、狭い土地でそれが難しい場合にはコインランドリーという方法があります。
もちろん、そのエリアにコインランドリーのニーズがあることが大前提ですが、管理の手間も少なく、安定的に収益を生み出せる土地活用の方法です。
コンビニや飲食店などの商業施設
- コンビニエンスストア
- スーパー
- ドラッグストア
などの商業施設を営業するための土地として貸し出します。事業用の土地として貸し出すので、契約満了時には更地にして戻してもらえます。
都心部なら商業ビルを建て、テナントを貸し出すという方法もありです。初期費用はかかりますが、住宅よりも高い賃料を設定することが可能です。
太陽光発電
駅からも遠く、住宅も少ない、しかし土地がある。そんな時は太陽光発電をして電気を売るという方法があります。
個人の住宅用ではなく産業用の太陽光発電ならFIT(固定買取価格)制度があり、10kw以上の電気は20年固定価格で売電できます。
2022年度からはFIP制度が始まり、買取価格が市場価格と連動する仕組みも導入されます。需要量が少ない時に電力を売ると価格が高くなるため、電力事業者の努力次第で収益を高めることができるのです。
太陽光発電は初期投資もそれなりにかかりますし、マンション経営等と比べると収益性はそれほど高くはないのですが、田舎の土地で住宅を建てることができない場合には検討してみても良いでしょう。
土地活用の種類4・他社と共同活用する方法
最後は、他社と一緒に土地をうまく利用して収益を上げる方法です。
土地信託
土地信託とは、土地そのものを貸し出すのですが、ただ貸すだけではなくてその運用も任せる方法です。貸出先は信託会社や信託銀行で、初期費用も委託をした信託会社が負担するので利益が出るまで余計な費用がかからないのが特徴です。
ただし、運用した結果、利益が出なければ収益が得られませんので、どこに委託するかがとても重要です。
等価交換
自分で建物を建てる資金がないときは、不動産会社などに土地を貸し、その上に建物を建ててもらいます。その建物と土地の割合に応じて、自分が貸し出した土地の分だけ収益を配分してもらうのが等価交換です。
たとえば、5,000万円の土地に1億円の建物を建てたとすると、土地オーナーの取り分は3分の1ということになります。
自分でアパート等を建てた時よりも収益は少なくなりますが、初期費用をかけたくないという人におすすめの方法です。
土地活用の選び方の基本
土地活用の方法についてご紹介してきましたが、自分の土地はどの活用法に向いているのか、迷うところだと思います。立地や収益性から、活用法の選び方について解説します。
立地・ニーズから考える
都心部か郊外か、交通の便が良いかなど、立地条件によって適した活用法が違います。収益性も大事ですが、ニーズがなければ客は集まりません。そのエリアのニーズに合わせた活用法を見つけることが重要です。
立地条件 | 活用法 |
---|---|
都心部 | マンション、商業施設、コインランドリー |
郊外 | 駐車場付きの賃貸物件、トランクルーム、太陽光発電、高齢者向け住宅 |
ロードサイド | 商業施設、駐車場 |
駅から遠い | 駐車場、ファミリー向け賃貸物件、トランクルーム |
狭い土地 | 駐車場経営、コインランドリー、土地そのものを貸す |
収益性から選ぶ
基本的には、初期費用がかかるほど収益性も高くなります。
- アパート・マンション経営
- 賃貸併用住宅
- 商業ビルを建ててテナント運営
そのエリアにどのようなニーズがあるかしっかり調査したうえで決めていきましょう。
毎月の収益の安定性から選ぶ
収益はそれほど高くなくても安定していればいいという人は、コインランドリーや駐車場経営が向いています。マンション経営などに比べれば空き室リスクもなく、初期費用も少なくて済みます。
初期投資の費用から選ぶ
できるだけ初期費用をかけずに土地活用を始めたい人は、駐車場経営や等価交換がおすすめです。土地信託もありですが、信託会社が運営する価値があると判断しないと貸出ができないため、どのような土地でも貸し出せるわけではありません。
全く初期費用をかけたくないなら、そのまま貸し出すという方法もありです。
まとめ:土地活用の方法を選ぶときはニーズと立地条件が大事!
さまざまな土地活用の方法をご紹介してきました。初期費用がかかるが収益性も高いものもあれば、その逆もあります。
土地活用の方法を選ぶ上でもっとも大事なことは、その方法がそのエリアのニーズと合っているかどうかです。駅から遠く交通の便が悪いエリアにアパートを建てても入居者はいないでしょう。
それならば、トランクルームや駐車場、高齢者向けの住宅などの方が良いので、どのようなニーズがあるか調査してから活用法を決めることが大切です。
収益性の高さも重要ですが、安定的に収入を得ていくためには立地条件とニーズを徹底的に調査してください。