賃貸マンション経営で経費に計上できる費用の一覧と節税のコツ

マンション経営

2022年11月14日

賃貸マンション経営には、多額の費用がかかります。しかし、事業に関わる費用であれば、経費として計上することが可能であり、節税対策にもなります。

しかし、どの費用が経費として認められるのか分からずに、悩んでいませんか?「これは経費になるのだろうか」と迷っている人のために、経費として計上できる項目について解説します。

確定申告では正しく経費を計上することがとても大切ですので、経費として計上できないものや、経費を申告する際の注意点などについてもあわせてお話しします。

正しい節税対策の参考にしてください。

賃貸マンション経営にかかる経費

賃貸マンションの外観

経費の考え方の基本ですが、マンション経営にかかった費用であれば経費として計上が可能です。何が計上できるのかを知らずに確定申告すると、無駄に税金を払うことになってしまいます。

節税のためにも、経費を詳しく知っておくことはとても重要です。

税金関係

マンション経営に関わる税金として認められるものは、以下の通りです。

【マンション取得時にかかる税金】

  • 不動産取得税
  • 印紙税
  • 登録免許税

【経営にかかる税金】

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 事業税
  • 自動車税

など。

これらの税金は「租税公課」の勘定項目で計上できます。

損害保険料

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 賃貸住宅費用補償保険
  • 施設賠償保険

などが保険料として認められます。

なお、10年一括等、まとめて支払った場合には、その年の保険料しか計上することができません。10年分の保険料20万円を一括で払うと、その年の経費として計上できるのは2万円です。翌年分は翌年分として改めて計上することになります。

減価償却費

建物、マンションの設備など、時間が経つほど価値が下がる資産については、取得するためにかかった費用を各年毎分割して計上していきます。たとえば、鉄筋コンクリート造なら47年、木造建築なら22年という耐用年数があります。

建物取得にかかった費用は、これだけの年月をかけて計上できるということです。

なお、減価償却できるのは建物の費用のみです。土地の取得代金は減価償却費に含まれませんので、注意してください。

管理費

マンション経営は、管理会社に管理を委託するのが一般的です。戸数も多いため、オーナー自ら管理をしていることは少ないはずです。

  • 管理会社への委託費
  • エレベーターや建物設備の保守管理にかかる費用
  • エントランスや共用部分の清掃にかかる費用
  • 管理組合の運営

などにかかる費用は、経費として計上できます。

修繕積立費

建物はもちろん、付属の設備も時間が経つにつれて老朽化していきます。設備の補修は随時必要となりますので、その都度かかった修繕費は経費として計上できます。

具体的には、

  • 給湯器の修理・交換
  • 原状回復のための工事
  • 壁紙や床の張り替え
  • クリーニング費用

など、マンションをきれいに保つためにかかった費用は、経費として認められます。

広告宣伝費・仲介手数料

  • 入居者募集のためにかかった広告費
  • チラシの作成費用
  • 仲介会社に払った広告費用
  • 賃貸契約が決まった時に支払う仲介手数料

などは経費になります。

接待費・交際費

管理会社との打ち合わせにかかった飲食費などは、接待交際費として計上が可能です。

利息

マンション経営を始めるにあたり、ローンを組んでいる人は多いと思います。そのローンの支払いにかかる利息は、経費に計上できます。

税理士への報酬等

税理士への報酬、打ち合わせするための電話代、書類を送るための郵便代なども経費です。

交通費

打ち合わせに行くための交通費、物件管理で現地に行くための交通費なども経費として計上できます。車で行く場合は、ガソリン代を交通費として計上します。

新聞書籍代

税金に関する勉強をするために購入した本代などは、経費として計上できます。あくまでも事業に関わるものであり、個人的な勉強のための書籍は含まれません。

消耗品費

消耗品費には何が含まれるか、一番迷うところかもしれませんが、そこは「マンション経営に関係があるかどうか」で判断すれば良いでしょう。

  • 物件を撮影するために購入したカメラ代
  • チラシを印刷するための用紙代
  • 文房具

などは、消耗品費です。

賃貸マンション経営の経費として計上できないもの

マンション経営の費用として計上できるのは、そのマンションに関わる費用のみです。事業に関係のない費用、私的な費用は経費として認められません。

事業に関係ない費用

経費というのは、事業で収益を得るために使った費用のことです。ですから、入居者募集の広告や、部屋を魅力的にするための設備工事などは経費として認められるのです。

管理会社との打ち合わせで利用した飲食店の費用などは経費に計上できますが、事業とは関係のない、プライベートな交際費や飲食代などは経費ではありません。その支出の目的が何か、ということが重要です。

なお、事業用と私用と、一緒に使っているものなどは按分して計上が可能です。たとえば、車が1台しかなくて、事業用とプライベートと併用していたとします。

ほとんどが仕事の打ち合わせ等で使っている、週末くらいしか使用では乗らないという場合は、80%と20%など利用している割合で按分します。割合で迷った時などは税理士に相談すると良いでしょう。

個人・法人で払う税金

経費として認められる税金は、マンションを取得するのにかかった税金と、維持するために必要な税金です。個人で払う税金や法人税は経費として計上することはできません。

賃貸マンション経営で節税するためのポイント

経費を計上するのは、収益を得るためにかかった費用を引いて、純利益にかかる部分のみの税金を納めるためです。節税効果を最大にするためには、以下の方法も知っておくと便利です。

青色申告にする

確定申告には、青色申告と白色申告がありますが、節税効果を考えれば青色申告が有利です。青色申告は帳簿の手間などが白色申告よりもかかるものの、最大で65万円の控除ができますので、白色申告にする理由がないでしょう。控除額は基本が55万円、e-Taxにすると65万円になります。

なお、65万円の控除が認められるためには、事業規模であることが必要です。10室以上または5棟以上の物件を所有していることが求められるので、マンション1室しか所有していないという場合には、控除額は10万円となります。

収益によっては法人化も検討

マンション経営が軌道に乗ってきて、順調に家賃収入が増えている場合、その金額によっては個人事業主として納税するよりも法人化した方が節税効果が高くなります。

<個人の所得税>

  • 330万円〜:20%(控除額427,500円)
  • 695万円〜:23%(控除額636,000円)
  • 900万円〜:33%(控除額1,536,000円)

<法人税>

  • 800万円以下:15〜19%
  • 800万円を超える部分:23.2〜23.4%

税率だけをみると法人税の方がはるかに安く見えます。330万円を超えるなら法人税の方がお得になりそうですが、個人事業主の場合は控除額がありますので、この時点ではまだ個人の方がお得です。

<利益が950万円〜>

  • 個人:950万円×33%ー1,536,000円=1,599,000円
  • 法人:800万円×15%+150万円×23.4%=1,551,000円

必要経費を抜いた収益が950万円を超えると、控除額を考慮しても法人税の方がお得になります。この収益は家賃収入のみではなく、収入全体で考えます。家賃収入とその他の収入が950万円を超えたら、法人化を検討すると良いでしょう。

賃貸マンションの経費計上で注意する点

領収書と計算機

経費の計上は正しく行わないといけません。不自然な経費は調査の対象となりますので、注意してください。

経費以外のものを故意に計上しないこと

経費として計上できるのは、事業に関わるお金です。少しくらいバレないだろうと、プライベートの交際費などを計上してしまう人がいますが、それはNGです。税務署はこれまで数多くの申告書を見てきているのですから、不自然な経費はすぐ目に止まります。

税務調査が入れば、領収書など証拠書類を全てチェックされます。不正は必ずバレますので、正直に申告することがとても大切です。

もし、これは経費に入るか入らないかと迷ったら、税理士に相談するのが安心でしょう。税理士への報酬は経費に計上できますし、不正な申告をしないためにも困ったら相談することをおすすめします。

領収書の保管を忘れずに

経費として計上するなら、必ず領収書は保管しておきます。領収書の保管は7年間と義務付けられていますので、無くさないようにしっかり保管しておきましょう。万が一税務調査が入った時のためにも、年度ごとにきちんと整理しておきましょう。

まとめ:賃貸マンション経営にかかる経費は正しく計上して節税を!

賃貸マンションの経営には、物件の取得から維持管理まで、多額の費用がかかります。その費用を経費として計上すれば、収益から経費を差し引いた分のみに税金がかかります。ですから、正しく経費を計上することで上手に節税ができるようになります。

ただし、経費として認められるのは、マンション経営に関わるお金のみです。収益を上げる目的でかけたお金しか経費にはなりませんので、注意してください。

今回はどのような費用が経費として認められるのか詳しく解説しましたので、これまで迷っていた部分がある人は、帳簿を再確認してみてください。

経費でないものを計上してしまうと調査の対象となってしまうこともありますので、気をつけましょう。

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