マンション経営に必要な資格と身につけておくべき基礎知識

マンション経営

2022年12月15日

マンション経営を行うのに資格は必要なのか、どのような資格を取得すれば良いのかとお悩みの方へ。マンション経営に資格は必要ありません。会社の経営者になるのに資格がいらないのと同じことで、物件の所有者になるための資格は不要です。

しかし、なんの知識もなくマンション経営を始めるのはリスクが高すぎます。マンション経営を行うには、法律はもちろん税金の知識も必要になります。マンションの管理は専門業者に任せるとしても、収益を上げるにはどうすれば良いのか、経営者自ら考える必要があるでしょう。

また、資格が不要とはいっても、持っていればマンション経営に役立つ資格があります。経営に必要な知識とともに、学んでおくと便利な資格についてお話しします。

マンション経営は資格がなくてもできる!

マンション経営に、不動産関連の資格などは必要ありません。誰でも経営者になれます。年齢も学歴も関係ありません。

ただしそれは、マンション経営が簡単だという話ではなく、誰でも事業を行うチャンスがあるというだけのことです。資格がなくても経営を始めることはできますが、収益を上げて黒字化していけるかどうかはまた別の話です。

経営を行うには法律、会計など学ぶべき分野が多岐にわたります。むしろ、資格があれば、その分野のことを学べばいいという目安になったかもしれませんが、資格がない以上、自ら必要な知識を身につけ、情報を収集していかなくてはならないということです。

これからマンション経営を始めたいと思うなら、資格は必要ありませんが、事業をスムーズに続けていけるような資格の勉強をしてみることをおすすめします。次章でその資格について、ご紹介しましょう。

持っていればマンション経営に役立つ資格5選

会計や法律に関する資格も役に立ちますが、不動産に関する資格を持っておくと便利です。

1.マンション管理の専門家・マンション管理士

マンション管理士とは、その名の通り、マンション管理の専門家です。管理組合の運営に携わり、的確なアドバイスをするのが仕事です。具体的な仕事の内容は以下の通りです。

  • マンションの維持管理に関する提案、指導
  • 大規模修繕工事の計画立案、進行
  • 管理組合の総会や理事会の運営
  • 管理費の会計業務
  • マンション管理既約の作成

マンション管理に関する法律の知識を有し、問題を解決できる職業として需要が高まっています。

国家資格のため難易度は高いですが、避けては通れない大規模修繕工事などについても深い知識を得られるので、持っていて損はない資格です。

2.賃貸住宅管理の専門家・賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士とは賃貸住宅管理の専門家で、賃貸管理の業務管理者になるための要件にもなっています。

  • 入居者募集から空室対策
  • 賃貸住宅の建物管理、修繕
  • 賃料の収納業務
  • 退去する際の立ち合い

など、マンションの管理業務全体に関わる仕事です。

国家資格であり、合格率は決して高くありませんが、経営者として知っておくべきマンション管理の実務や借地借家法など法令も幅広く学べる資格です。

3.賃貸の管理経営のプロ・不動産実務検定

不動産実務検定は、その昔「大家検定」と呼ばれていた資格で、民間資格の一つです。2級、1級、マスターと3段階あります。

  • 2級:賃貸管理運営に関する知識・技能
  • 1級:不動産投資、土地活用に関する知識・技能
  • マスター:不動産コンサルティングに関する知識・技能

経営に関する知識だけで良いなら、2級でも十分です。

4.独占業務もある管理業務主任者

管理業務主任者はまだ新しい資格で、それほどメジャーな資格ではないかもしれませんが、国家資格です。マンション管理組合に対して指導を行い、重要事項説明も行うなど、独占業務のある資格です。

管理組合30組合につき、管理業務主任者を1名設置しなければならないため、常に一定数の資格保有者が必要になります。独占業務があり、設置義務もある資格ですから、持っていて損はない資格です。

マンションの管理規約に関する知識はもちろん、民法などについても詳しく知ることができるので、経営者にとっても役に立つ資格です。

5.不動産業界では必須の資格・宅地建物取引士

不動産といえば宅建、というほどメジャーな資格の一つです。宅建士だけが行える独占業務があること、事務所を設置する時に一定数の宅建士が必要となることから、需要の高い資格です。今すぐ不動産業界に勤める予定がなくても、「将来役に立つかも」と取得している学生や主婦も多いです。

経営者としてこの資格を取得するメリットは、契約内容を正確に理解できるようになることでしょう。

重要事項の説明は宅建士の独占業務であり、取引の重要な部分を理解できれば、不利な条件で契約させられる心配もなく、土地活用を任せる不動産会社が信頼できる相手なのかどうかの判断もできるようになります。

資格試験に合格しなくても学んだことは無駄にならない

5つの資格をご紹介しましたが、必ずしもこれらの資格試験に合格する必要はありません。資格試験の勉強をすることによって、不動産や経営に関する知識を体系的に学べるという観点からおすすめしたものです。

不動産に関わる仕事をするなら必須の資格ばかりですので、契約や物件の管理に関して、必要な知識を網羅できるでしょう。

何も勉強せずに不動産会社や管理会社任せで経営を始めるのと、必要な知識について深く学んでから始めるのでは雲泥の差があります。

仮に受験して不合格となったとしても、学んだことは無駄になりませんし、合格にこだわらず実践を通してさらに深く学んでいけば良いのです。

マンション経営に必要な基礎知識

資格試験の他にも、学んでおくと役に立つ知識があります。マンション経営を始めてからも、学び続けてほしい内容です。

収益が出る物件に関する知識

ユーザーのニーズは変化していきます。ここ数年でも、コロナ禍によって求められる物件に変化が出てきました。どのような物件が人気があるのか、今後もその動向を追っていく必要があるでしょう。

入居者の年代に合わせ、魅力的な物件づくりを目指して常に情報収集が必要です。

法律に関する知識

マンション経営には、不動産に関する法律だけでなく、民法や会計法などさまざまな分野の法律の知識が必要です。

法律は定期的に改正されるものもあります。たとえば、宅地建物取引士の資格は5年に1度更新するために法定講習を受けなくてはなりません。

それは、5年間に改正された法律の内容と実務上の注意点を知るためであり、適切な業務を行うためにとても大切なことです。

法律は、「改正されたことを知らなかった」では済まないので、常に最新の情報にアップデートしておきましょう。

お金に関する知識

経営を行うには、お金に関する知識も必要です。税務や会計に関する知識は必須といえます。

  • 会計上の損益とキャッシュフローの違い
  • 減価償却
  • 確定申告
  • 節税対策

など、知っておかなくてはいけないことがたくさんあります。

細かい会計の処理は税理士に依頼したとしても、お金に関する知識がない状態では、依頼した仕事が問題なく遂行されているかどうかの判断もつきません。

うっかり間違った書類で確定申告をしてしまい、「脱税」になってしまったということのないように、人任せにすることなく、自らも学ぶ姿勢が必要です。

まとめ:マンション経営に資格は不要でも勉強は役に立つ

マンション経営を行う際に、必要な資格はありません。資格がなくても、誰でもマンション経営を行うことは可能です。

しかし、マンション経営を安定的に続けるためにも勉強は欠かせません。不動産関連の法律の知識はもちろん、会計や税金に関する知識も必要です。

学ぶ範囲があまりに広すぎて何から手をつけたらいいかわからないというときは、不動産関連の資格の勉強をすると体系的に知識を身につけることができます。

今回は、経営者として持っていると有益な資格を5つご紹介しました。合格はしなくても、勉強するだけでも十分役に立ちます。

経営に必要な知識を身につける手段として、ぜひ活用してみてください。

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