賃貸管理会社の選び方とは?信頼できるパートナー選び8つのポイント
マンション経営
2022年7月4日
マンションやアパートなどの管理は、不動産の賃貸管理会社に任せることで適切な運営ができたり、トラブルを防げたりするメリットがあります。
しかし世の中にはさまざまな賃貸管理会社が存在するので、どこに任せればいいのか迷いますよね。管理業務と一口にいっても、会社によって管理業務の範囲も異なれば、質も異なります。
この記事では、大切な物件の管理を任せる賃貸管理会社を選ぶ際のポイントを8つ紹介します。この8つは確実に押さえて、最適なパートナーを選びましょう。
目次
そもそも賃貸管理会社とは?
賃貸管理会社とは、文字通りマンションやアパートなどの賃貸物件を管理・運営する会社のことです。まずはその種類や業務内容などを見ておきましょう。
賃貸管理会社の種類
賃貸管理を行う会社には、主に3つのパターンがあります。
- 賃貸管理だけを専門的に請け負う会社
- 賃貸物件の仲介と管理の両方を行う会社
- 建設施工から管理まで一貫して行う会社
建設施工から管理までを行う会社というのは、いわゆるハウスメーカーと呼ばれる建設会社のことです。建設からかかわっているため、物件の構造などにも詳しく、窓口が1つなのが大きなメリット。仲介と管理も行う会社であれば、入居者の募集もしてくれます。
賃貸管理だけを行う会社の場合は、管理に関する知識や実績があり、リスクも把握していることから、トラブルを回避する管理方法を提案してもらえる可能性が高いです。
賃貸管理会社がしてくれること
賃貸管理会社が行う「賃貸管理」には、大きく分けて3つの種類があります。種類別に主な業務内容を見ていきましょう。 契約管理
- 賃貸契約の更新手続き
- 解約手続き
- クレームやトラブル時の対応
- 家賃の集金
- 滞納者への督促
建物管理
- 共有スペースの掃除
- エレベーターの定期点検
- 消防用設備の点検
- 浄化槽の保守点検・水質検査
- 退去時の立会い・退去後のリフォーム
- 設備の補修
警備・防犯対策
- 監視カメラの導入・設置
- 警備会社との連携
ちなみに、警備業務そのものを行うには、法に基づく許可が必要です。管理会社が警備業許可を取っていなければ外部の警備会社に委託し、連携して対応することになります。
このほか、建物の安全性を高めるためや収益性を上げるための提案など、コンサルティング業務を行う管理会社もあります。
賃貸物件には複数の管理形態がある
賃貸物件の管理方法は、大きく次の3つに分けられます。
管理形態 | 概要 |
全部委託 | すべての管理業務を管理会社に委託 |
一部委託 | 管理業務の一部のみを管理会社に委託 |
自主管理 | 入居者の管理組合ですべての管理業務を行う |
このほかに不動産管理の方法として、物件をまるごと管理会社が借り上げて入居者に転貸(又貸し)する「サブリース」と呼ばれる契約もあります。
▼サブリースについてはこちらを参考にしてください!
マンションで一般的となっているのは、全部委託で管理をすべて管理会社に任せる方式です。
全部委託であれば、管理のノウハウを熟知したプロにすべて任せることができるので、手間いらずであるというのが最大のメリット。
管理には点検や清掃などの業務を各種専門業者に依頼する必要もあるので、一部委託や自主管理では、必要な業務の洗い出しや業者の選定などから始めなくてはなりません。
ただし、手間を省けばそれだけ委託費用も高くなるのが大きなデメリットとなります。点検や清掃の業者も管理会社が決めるため、リーズナブルな業者を選ぶといったこともできません。
委託する賃貸管理会社によっては、オーナーや入居者の意向を重視せず、自社の利益を優先させることも考えられます。
そのため、全部委託とするなら特に、賃貸管理会社の選び方に気を付けなくてはなりません。
賃貸管理会社の選び方8つのポイント
マンションやアパートの管理を賃貸管理会社に任せるのなら、どの会社に依頼するかを慎重に選ぶ必要があります。
委託管理を行う会社は複数あるので、いくつかを比較して決めましょう。知名度の高さや費用の安さなど、目立つポイントだけで決めるのは危険です。次の8つのポイントも押さえたうえで選んでください。
- 賃貸物件の管理実績が豊富にあるか
- 実際の管理物件の管理状態は良好か
- 物件のある地域について熟知しているか
- 業務の内容に不足はないか
- こちらの話をしっかりと聞いてくれるか
- リスクやデメリットについても教えてくれるか
- 入居者の視点も併せ持っているか
- 担当者は信頼のおける人物か
それぞれ具体的に説明していきます。
管理実績が豊富にあるか
まずは、その賃貸管理会社がこれまでどれくらいの物件を管理してきたのか、もしくは現状どれだけの戸数を管理しているのかが1つの目安となります。
賃貸管理会社に任せることの最大のメリットは、専門的なノウハウや実績による最適な管理方法を実現できること。そのため、取り扱ってきた件数が多いほどノウハウも蓄積されているはずです。
既存の管理物件の管理状態は良好か
その管理会社が請け負う別の物件の管理状態も、委託するかどうかの大きな判断材料となります。
近隣で同じ会社が委託管理を請け負っている物件があり、オーナーや入居者に知り合いがいれば、ぜひ話を聞いてみましょう。もしくは、その物件の管理状態を実際に見に行ってみるのもおすすめです。
共有スペースの掃除が行き届いているか、雑草が生い茂っていないか、外灯が切れていたりしないか。委託形態にもよるのでそれがすべてではありませんが、業務の質をうかがい知ることができます。
物件のある地域について熟知しているか
物件が立つ地域について、その管理会社に知識があるかどうかも大きなポイントです。
物件の経年変化は、地域の気候など立地にも大きく左右されます。また、エリアによって居住者の特徴が異なることも多いもの。
地域に詳しいかどうかで、入居者への対応やクレーム対策、メンテナンス方法など留意すべきことは違ってくるので、より適切な管理を行うには地域に詳しいことも必要なのです。
業務の内容に不足はないか
契約をする前には、賃貸管理会社から業務の内容について説明があるはずです。その際は、業務内容を具体的に確認し、委託を希望する業務が網羅されているかを確認しましょう。
あらかじめ頼みたい業務を洗い出しておき、それと照合していくのがベストな確認方法です。
もちろん、業務内容と費用のバランスにも注目してください。
こちらの話をしっかりと聞いてくれるか
一方的に話を進めたり、これがベストだと決めつけて話を進めたりせず、こちらの話もしっかりと聞いてくれる業者を選ぶことも大切です。ニーズをしっかりと把握しなくては、最適な提案はできません。
良い業者というのは、オーナーや利用者のことを大切にしてくれるもの。話も聞かず「どうせ知識がないのだから任せてほしい」というような対応をする業者は要注意です。
疑問があればどんどん聞き、その答えだけでなく対応も見てみるとよいでしょう。
リスクやデメリットについても教えてくれるか
管理業務に関するリスクやデメリット、たとえば「できること」だけでなく「できないこと」も明確に知らせておいてくれるかどうか。これも、業者選びで見ておきたいポイントです。
賃貸管理会社は、選ばれるために良い条件だけを伝えてくる可能性があります。しかし物事には、リスクやデメリットがつきもの。わかっていて知らせないのは不誠実だと言わざるを得ません。
後から「知らなかった」「こんなはずでは」と慌てることのないよう、悪い条件などもあらかじめ教えてくれる会社の方が安心です。
入居者の視点も併せ持っているか
入居者の目線で物事を見て、提案などをしてくれるか。そこも重要なポイントです。
というのも、賃貸物件にかかわるのはオーナーと管理会社だけではありません。入居者の住み心地やニーズも重視しなくては健全な物件管理は不可能です。
オーナーとしてはどうしても自身の目線に偏りますが、そこに入居者目線も入れて多方面から考えていくことで、適切で質の良い管理が可能になります。
担当者は信頼できる人物か
管理会社の質だけでなく、実際の担当者が信頼に値する人物かどうかもチェックしておきましょう。
社会人として当然のマナー、たとえば時間を守る、公式な場に相応しい身だしなみを整えている、といったことは、当たり前ではありますが大切なこと。
もちろん、電話がすぐにつながるか、すぐ対応してくれるか、といったことも重要です。
会社はしっかりしていても、担当者が頼りにならなければその会社を選んだ意味がなくなります。結局は人と人とのやり取りとなるので、誠実に対応してくれる人でなくてはなりません。
こういったポイントを踏まえて、大切な物件の管理を任せられる賃貸管理会社を吟味してください。
とはいっても、いざ契約してみたら「思ったように動いてくれない」「有益な提案を何もしてくれない」といったケースもあるかもしれません。その時は、賃貸管理会社は変更できる、ということも知っておきましょう。
賃貸管理会社選びはポイントを押さえ慎重に
賃貸管理会社と一口に言っても、その業務を行うのは仲介業との兼業だったり、建設から一貫して行う会社だったり、管理を専門に行う会社だったりとさまざまな会社が存在します。
賃貸物件の管理には、管理会社に管理業務の一部または全部を委託する委託管理と、入居者の管理組合が自分たちで行う自主管理があります。費用を抑えることより、知識や経験に基づく最善の管理方法を選ぶことを考えるなら、やはり賃貸管理会社に委託するのが得策でしょう。
ただし、賃貸管理会社にも実績や質がさまざまに異なる会社が存在します。業務内容を具体的に確認し、これまでどのような物件管理を行ってきたかなどを確認したうえで慎重に選ぶことが、賃貸経営成功の近道です。