賃貸併用住宅の間取りの工夫。失敗しないプランの決め方・考え方

賃貸併用住宅

2022年7月29日

賃貸併用住宅を建てるときに迷うのが間取りです。できるだけ自分が快適に暮らすことが第一ですが、経営という観点から、利用者のニーズも考えて間取りを考えなくてはなりません。

上下に分けるか、縦に分けるか、それぞれメリットとデメリットがあります。また、その土地によってどのくらいの大きさの建物が建てられるかが違いますので、間取りは建ぺい率と容積率にも左右されます。

今回は、間取りを決めるときの失敗しないプランの考え方について解説します。納得のいく賃貸併用住宅を建てたいという方は、間取り決めの参考にしてください。

賃貸併用住宅の失敗しない間取りの決め方・考え方

賃貸併用住宅は入居者がいなければ賃料を得られないため、誰に貸し出すのかという点を忘れてはいけません。

エリアとターゲットにあった間取りを考えること

住む人が単身者なのか、夫婦2人の世帯なのか、それとも子供がいるのか。世帯の構成によって間取りはかなり変わってきます。そのターゲットを決めるときには、まずエリアの調査が必要です。

  • 都心への通勤圏内で駅から近いなら単身会社員向け
  • 通勤圏内でありながらスーパーなど生活関連施設が充実しているエリアなら夫婦2人世帯
  • 少し郊外の緑が多く環境の良いエリアなら小さな子供がいる3人世帯

など、そのエリアで賃貸を探している世帯の調査が不可欠です。

賃貸経営を成功させるには自分が貸したい人のための間取りを考えるのではなく、そのエリアで需要のある間取りを考えなくてはいけません。

階数を決めてから間取りを考える

建物の高さはその地域によって決まっています。詳しくは後ほど解説しますが、まず高さを決めておかないと、部屋数も決まりません。法令の範囲内であれば何階でも良いのですが、一般的には2〜3階が多いです。

4階以上になるとエレベーターの設置も考えなくてはなりません。なくても建築はできますが、階数が高いのに階段しかない物件では上の階が埋まりにくいためです。

家賃収入から部屋数を決める

家賃収入がどのくらいあればローンを返済しやすいのか、将来的な利益が見込めるのか、必要な家賃収入とニーズから部屋数と一部屋の家賃を考えます。

20万円必要なら、7万円の部屋を3部屋にするのか、5万円の部屋を4部屋にするのか。周囲の家賃相場や人気のある広さなどを調査した上で部屋数と間取りを決めると失敗が少ないです。

防音対策ができる間取りも大事

ちょっとした足音や水の流れなどの生活音が、家族なら気にならないかもしれませんが、他人だと気になって仕方ないということもあります。賃貸併用住宅ではお互いが気持ちよく暮らせるように、防音対策が必須です。

  • 床を二重にする
  • 壁に遮音ボードを入れる
  • 部屋の配置を工夫する

たとえば、オーナーの居住スペースと賃貸が隣り合っている場合、オーナーの寝室の横に賃貸部屋のトイレや浴室を作ってしまうと水回りの音が気になって仕方ありません。音が漏れやすいエリアの隣には納戸や収納スペースなどを作り、音が気にならない間取りにします。

構造を工夫するのもよし、居住スペースをできるだけ広く使いたいなら間取りを工夫するなどして、音の問題を解決します。

賃貸併用住宅の間取りを考える上で欠かせない建ぺい率と容積率

建ぺい率と容積率は自治体によって違うため、その地域の都市計画がどうなっているか、最新情報を確認してから建築計画を進めます。同じ敷地面積でも建ぺい率と容積率によって建てられる家の大きさ、間取りが大きく違ってくるからです。

建ぺい率の考え方

建ぺい率とはその土地を何%くらい建物の範囲として利用できるか、という割合のことです。「建築面積÷敷地面積×100」で計算しますので、たとえば建ぺい率が60%だとしたら、100平方メートルの土地のうち60平方メートルまで建物を建てられるということです。

建ぺい率は大きいほど土地を有効活用できます。建ぺい率は土地の用途によって違うため、市役所の都市計画課に問い合わせればすぐにわかります。

容積率の考え方

容積率とはその土地に何階建までの建物を建てられるかの基準となります。「延べ床面積÷敷地面積×100」と計算しますので、容積率が高いほど階数も高い建物を建てられます。

何階まで建てられるか

建ぺい率と容積率はセットで考えます。建ぺい率が同じでも容積率が大きければそれだけフロアを増やせますので、そこから自宅部分と賃貸部分の割合をどうするかなどを決めることができます。

たとえば100平方メートルの土地が「建ぺい率50%、容積率100%」だったとしましょう。この場合、単純計算ですが、(50㎡×2)÷100㎡×100=100%となり

  • 1階の広さは50㎡
  • 階数は2階

の建物を建てられます。

もし容積率が150%なら3階まで建てられますから、土地の広さだけでなく、建ぺい率と容積率から最大限土地を活用できる方法を考えることが大切です。

賃貸併用住宅の間取りのパターン

どのくらいの大きさの建物が建築可能かわかったら、具体的に間取りを考えていきます。賃貸併用住宅の間取りのパターンには大きく分けてこのようなものが考えられます。

2階建ての間取り

2階建にする場合は、1階を住居にするパターンと2階を住居にするパターンがあります。

【1階を住居にする】

  • メリット:階下への音を気にする必要がない、出入りが楽、庭も利用できる
  • デメリット:上の階の音が気になる、防犯面の不安

眺めの良い2階を賃貸にすることで、1階にするより家賃を高めに設定できるというメリットもあります。

【2階を住居にする】

  • メリット:日当たりや風通しが良く快適、眺めが良い、1階より防犯面で安心
  • デメリット:階下に迷惑をかけないよう音などを気にしなくてはならない、外階段を使わないといけない

一般的には2階以上の方が賃貸の需要がありそうですが、小さい子供がいる世帯などは階下への音を気にせずに済む1階の方が暮らしやすいと感じるかもしれません。居住スペースをどちらにすべきか、ここはニーズの調査次第でしょう。

3〜4階建ての間取り

居住スペースを1〜2階と3〜4階どちらにするか、メリット・デメリットは2階建ての建物と同様に考えますが、ここで大事なのはスペースの割合です。もし、投資用のアパートローンではなく住宅ローンを利用しようと考えているなら、住宅全体の面積の50%以上を自宅にしなくてはなりません。

たとえば4階建にして4階のみがオーナーの居住スペース、残りの1〜3階が賃貸スペースとした場合、住宅ローンは利用できないことになります。

縦割りの間取り

建物を縦割りにすると、全てのフロアをオーナーの居住スペースにすることができますから、階下への音などを気にしなくて済むようになります。ただし、階段を室内に作らなくてはなりませんので、どうしてもスペースのロスが生じます。

エントランスの考え方

マンションのようにエントランスを共用にして住居部分だけを分けるか、エントランスから完全に分離するか、入居者との関係性をどうしたいかによって決めるという考え方もあります。

エントランスを共用にすれば朝や夜など、仕事や学校に行くときに顔を合わせることもあるでしょう。入居者とは一切顔を合わせたくないという場合には完全に分離するのもありです。

若い一人暮らしの人がターゲットだと、プライバシーが確保できる分離型の方がニーズがあるかもしれません。

ただ、同じ建物に一緒に住むのですから、顔を合わせても気まずいと感じないような良い関係性は保ちたいものです。

まとめ:賃貸併用住宅の間取りはニーズが重要!経営の観点を忘れずに

賃貸併用住宅は、建ぺい率や容積率から建築できる建物の大きさが決まりますので、それによって何部屋作るのかを決めていきます。もちろん、家賃収入をいくら確保したいのか、という点も部屋数を考える上で重要なポイントです。

オーナーの居室を上にするか下にするか、また、横割りにするか縦割りにするか、単身世帯・ファミリー世帯、どちらをターゲットにしているかによっても違ってくるでしょう。

自分が快適に暮らせることも大切ですが、賃貸併用にする以上は「経営」ということを考えなくてはなりません。

どのような部屋が人気なのか周囲の賃貸物件をよく調査し、そのニーズに合わせて間取りを考えることが重要です

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