マンション建設の流れとかかる期間、費用の目安を詳しく解説!

マンション経営

2022年6月14日

土地活用でマンション経営をしてみたいと思っている人は多いですが、駐車場やコインパーキングなどと違い建設にはそれなりの時間とお金がかかります。

マンションの階数にもよりますが、計画を立てるところから工事が完了するまで1年以上の期間がかかります。

しっかりと計画を立てていかないと事業を始めることができませんので、マンション建設の流れを理解し、計画的に事業を進めていきましょう。

また、マンションが大きくなるほど費用もかさみます。自己資金をどのくらい投入してローンを組むかなど、資金計画も立てなくてはなりません。

建設前からつまづかないように費用の目安も考えてから理想のマンション計画を立ててください。

マンション建設の流れを知ろう

土地活用を成功させるために、マンション建設の流れを知っておくことはとても重要です。あらかじめ工程を理解しておくことでどのくらいの期間や費用がかかるのか、目安もわかります。

一般的に下記のような流れで進んでいきます。

  • 土地の調査をする
  • 資金計画を立てる
  • 建設会社を見つける
  • 工事
  • 引渡し

一つずつ解説します。

マンション建設したい土地の詳細を確認

その土地が本当にマンション建設に向いているのかどうか、まずは広さや権利関係など正確な情報を把握することから始めます。

都市計画は自治体ごとに違いがあるため、マンションが立てられない地域の場合もあるからです。

  • 土地の測量図
  • 登記事項証明書

などの書類を揃えておくとともに、建ぺい率などを役所に確認しておきましょう。

また、その土地の周辺情報も収集します。

  • 交通の便(駅からの距離、バスの運行状況など)
  • スーパーやドラッグストアなど商業施設の充実度
  • 公園など緑の多さ
  • ライバル物件の埋まり具合
  • エリアのニーズ(単身者・ファミリー、どちらが多いか)

これらの情報を集め、どのようなマンションにすべきか部屋数や間取り等の計画を立てます。

資金の計画を立てる

マンションの大枠が決まったら、資金の計画を立てます。マンションの規模でおおよその額は見当がつきますので、自己資金をいくら使うのか、それともフルローンでいくのか、計画が立てられると思います。

費用の目安についてはのちほど詳しく説明しますが、マンションそのものの費用のほかに、事務手数料や税金、保険料など様々な諸費用がかかります。

マンション建設は多額の費用がかかり、すべて自己資金で賄える人は少ないですから、そういったことも含めて、月々の返済をいくらにしたいかなどを考えて計画を立てます。

マンション建設を依頼する会社を探す

次は、マンション建設をどこに依頼するのかを考えなくてはなりませんが、ゼネコンなどの大きな会社から工務店や設計事務所など依頼先がたくさんあるため、どこに依頼すれば良いのか迷ってしまう人も多いです。

各社の特徴を踏まえて、自分が建設したいマンションにあわせた会社を選ぶ必要があります。

依頼先特徴
ゼネコン準大手ゼネコン~中堅ゼネコンまで、 地域密着型で高い技術を持っていることが魅力
ハウスメーカー設計から施工まで一括で請け負ってくれる コストが低めでなおかつ品質が安定している 比較的小さめのマンションにおすすめ
設計事務所デザイン性を重視したい人におすすめ 設計が設計事務所、建設は中堅ゼネコンなどの分離方式が多い
工務店規模の小さいマンションに向いている デザインや間取りにこだわりのある人におすすめ 地域密着型で、ゼネコンと比べると無駄な費用が発生しにくい

ある程度建設の方向性が決まらないと見積もりを取るのは難しいですが、できれば複数の会社に話を聞いて、工事の内容はもちろん、費用にも納得してから依頼することをおすすめします。

建設会社と契約する

建設会社が決まったら契約手続きに移ります。多額の費用をかけて建設するものなので、契約書は隅々まで確認し、不明な点があれば納得のいくまで話を聞いてください。

契約をしたら次は建築確認申請です。オーナーが直にする必要はなく、設計を依頼した施工会社などがやってくれます。

建築確認は着工前と工事完了後の2回行われます。書類で審査が行われ、「建築確認済証」が発行されると工事に着手することができます。

着工・基礎工事が始まる

地盤調査が行われ、地盤が緩くないか、工事によって近隣の建物に影響がないかなどを確認します。同時に埋設物の調査なども行われます。

問題があれば地盤の改良工事が行われ、問題なければ基礎工事に進みます。杭を打ち込み、鉄筋や仕切りの壁などを設置しながら下層階→上階へと進んでいきます。

電気、配管等の設備工事

基礎工事が終わると設備工事に進みます。内装の工事などと並行して電気や給水管、配線など内部の工事を行います。

  • 照明器具
  • コンセント・スイッチ
  • エアコン
  • トイレ・浴室
  • キッチン
  • 洗面所
  • サッシの取り付け

など各部屋の内部はもちろん、エレベーターなども設置されます。

外壁などの外装工事

壁のタイル工事や塗装、防水の工事などが行われます。建物の寿命にも関わる重要な部分です。

外構工事

外構工事とは、建物の周囲の部分の工事で、

  • 駐車場や駐輪場
  • 植栽
  • ゴミ置き場
  • エントランスまでのコンクリート敷き

などの工事です。また、隣の建物との間にフェンスを設置することもあります。

完工〜引き渡し

工事が完了したらいよいよ引き渡しとなります。すぐに入居者を募集できるように、工事が完了するまでに管理を委託する会社も探しておくことをおすすめします。

マンション建設にかかる期間〜計画から完成まで

マンションの間取りを説明する建設業者

マンション建設は、階数が高いほど工事期間がかかります。一般的な目安としては、階数+2〜3ヶ月とされていますので、たとえば5階建てのマンションなら7〜8ヶ月くらいかかるでしょう。

これは工事のみの期間であり、なおかつ週に6日間作業を行う場合です。昨今では土曜も休日にするケースがありますので、その場合はもう少し時間がかかるかもしれません。

建設会社への相談から着工までも数ヶ月〜6ヶ月ほどかかりますから、実際に事業を始めるまでには1年以上の期間が必要となるということです。

打ち合わせ〜設計まで(1〜3ヶ月め)

土地の図面を持って、建てたいと思うマンションについて建設会社と相談を始めます。その土地でどのような建物が可能か、先方から提案してもらえることもあるでしょう。

もし、建設用の土地を探すことから始める場合はさらに時間がかかりますので、早めに相談することをおすすめします。

建設の大枠が決まれば、具体的な基本設計に入っていきます。図面を作成してくれるはずなので、要望を伝えながら進めていきます。

具体的な設計〜費用の決定(3〜6ヶ月め)

どのような材質を使って建てるのかなど、具体的な検討に入ります。これを実施設計といいます。建設の詳細を決めていく段階なので、ここで最終的な工事の内容が決まり、費用がはっきりとわかります。

契約を結ぶのもこの段階ですから、もし予算をオーバーしているなら契約前の価格交渉が必要です。実施設計で作成した設計図を持って建築確認申請も行ってもらいます。

地盤調査(7ヶ月目)

基礎工事に入る前に地盤調査を行い、緩い部分があれば改良工事を行います。

基礎工事〜内装・外装工事(階数+2〜3ヶ月)

ここまででおよそ半年はかかっていますので、ここからマンションの高さに応じた工事期間がかかります。基礎工事がある程度進んだところで内装や外装工事もスタートします。5階建てのマンションなら7〜8ヶ月ほどかかるでしょう。

外構工事〜工事完了

最後に外構工事を行い、問題なければ完了です。建設会社に相談を始めてから工事完了まで、5階建てなら13〜14ヶ月ほどかかるということになります。

マンション建設にかかる費用の目安

おおよその期間がつかめたところで、費用についてもみてみましょう。マンション建設は、マンション本体の建築工事費と諸費用に分けられます。さらに建築工事費は本体の工事費と付帯工事費に分けられます。

マンションの構造による費用の違い

マンションは鉄骨造または鉄筋コンクリート造が一般的です。部屋数が多いことから木造マンションというのはあまり現実的ではありません。

それぞれの構造の坪単価は以下の通りです。

  • 鉄骨造:50万円〜100万円
  • 鉄筋コンクリート造:55万円〜100万円
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造:60万円〜120万円

構造が複雑になるほど費用はかさみます。この本体工事費は、建築工事費のおよそ7割ほどになります。

本体以外の付帯工事費

付帯工事費とは、電気や配線、配管などの工事にかかる費用のことで、全体のおよそ2割を占めています。地盤調査や改良工事の費用もここに含まれます。

諸費用も忘れずに!

マンション建設の手続きにかかる費用や税金、火災保険などの諸費用は全体の1割程度ですが、建設費そのものが高いので、1割といっても馬鹿にならない金額です。

これらの費用はローンを組んでから払うのではなく、自己資金から払うことが多いので、予算オーバーとならないよう、しっかり確保しておきたいものです。

まとめ:マンション建設は流れを理解してから計画的に進めていこう

理想のマンションを実現するためにも、どのような物件を建てるのかはとても重要です。建設に着手する前に流れを理解し、資金計画を綿密に立てた上で事業を進めていきます。

マンション建設は建設会社への相談から実際に工事が完了するまで1年以上の期間がかかります。いつから事業を開始したいのか、その時期にあわせて建築計画を立てていきましょう。

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