不動産実務検定とは?賃貸経営に欠かせない知識が身につく資格

マンション基礎知識

2023年2月13日

不動産実務検定とは、不動産投資や賃貸経営をしている人には必須の資格といえます。必須というのは、この資格がないと不動産投資ができないという意味ではありません。これから不動産投資や賃貸経営を始めようと思っているなら、何もない状態から始めるのではなく、この資格の勉強をして実務に必要な知識を身につけておくと何かと役に立つということです。

資格取得とまではいかなくても、勉強をしておけば損をすることはありません。もちろん、すでに賃貸経営を始めている人にとっても、非常に有益な資格です。

不動産実務検定ではどのようなことを学ぶのか、受験の方法などについて詳しく解説します。不動産系の資格は難易度の高いものが多いですが、不動産実務検定は合格率も高めで比較的受験しやすい資格です。ぜひチャレンジしてみてください。

不動産実務検定とは不動産投資の専門資格

不動産実務検定は、不動産投資や賃貸経営に関する専門知識を学べる資格であり、以前は「大家検定」と呼ばれていました。2014年に今の名称となり、制度が改訂されました。

賃貸アパートやマンションを経営するには、不動産に関する知識だけでなく、税金や法律など幅広い知識を体系的に学ばなくてはなりません。不動産実務検定は不動産経営、土地活用に関する知識を網羅した専門資格であり、これから経営を始めたい人はもちろん、すでに経営者になっている人にも役に立つ資格です。

不動産実務検定を受けた方が良い人

不動産経営は、なんの知識もなしに始めてうまくいくものではありません。とはいえ、これから賃貸アパートを経営してみたいと思った時、何から勉強したら良いか分からず迷ってしまうこともあると思います。そんなときにおすすめなのが、この不動産実務検定です。

  • 土地を購入してアパート経営をしようと思っている
  • 所有している物件に空き室が目立ち始めた。満室にしたい
  • 不動産コンサルタントとして、賃貸オーナーの役に立ちたい

など、賃貸経営に関わる人が取得しています。

就職や転職に役立つという性質ものではなく、不動産の安定経営を目指す人のための資格といって良いでしょう。

この資格がなければ不動産投資ができない、賃貸経営ができないということではありません。また、知識さえあれば成功するというものでもありません。しかし、始める前に必要な知識を身につけておけば、リスクをできる限り低くすることができるでしょう。

本を読んだり、セミナーに参加したりして独学で不動産の勉強をすることも可能ですが、資格の勉強をすることで体系的に知識を身につけることができますので、時間の節約にもなります。

不動産実務検定で身につけられる知識

不動産実務検定は、1級と2級があります。どちらからでも受験することができます。それぞれ、賃貸経営や投資について学びます。

上位の資格としてマスターがありますが、コンサルタントや自分が講師として活躍するための資格なので、大家さんが学ぶべき内容として今回は1級と2級について説明します。

2級で学ぶ内容

2級で学ぶのは、不動産に関連した法規全般、税務、そして賃貸借契約や満室経営のための管理実務など、賃貸物件の経営に関する知識を中心に学びます。

  • 不動産投資の基礎知識
  • 契約手続きについて
  • 家賃を滞納されたらどうするか
  • 敷金はどう精算するのか
  • 賃貸経営に関する法律
  • 賃貸経営の税金対策

など、実際に経営を始めてから起こりうる問題に対応するための実務的な知識が身に付きます。

1級で学ぶ内容

1級では、不動産投資、土地に売買などについて学びます。より専門的な内容になってきます。

  • 不動産に関する税、消費税
  • 不動産の購入について
  • コンプライアンス
  • 不動産のファイナンス
  • 大規模修繕
  • 建築構造・建築材料

などについての知識を身につけます。2級はおもに賃貸経営に関することが中心でしたが、1級になると土地の取引や建物の建築についてなど、学びが深くなっていきます。

不動産実務検定を受験するメリット

名称が旧大家検定というだけあり、大家さんのための資格といっても過言ではありません。健全な賃貸経営を目指す人にとって、このようなメリットがある資格です。

実務に対応した知識を身につけられる

実際に資格を取得した人の声を聞くと、大家をしている自分でも知らないこと、新しい学びがあったなど、「とても勉強になった」と感じている人が多いです。実務に則した知識を学べることから、空室対策など自分が直面している問題にすぐに対処できた、という声も多く見られました。

独学で賃貸経営の知識を身につけていくことはとても難しいことから、不動産実務検定で体系的な学びを得ることで、困った時に即実践できる知識が身に付きます。

大家さん同士のコミュニケーションができる

不動産実務検定は独学で受験することも可能ですが、効率よく学ぶために、認定講座に通う方がほとんどです。講座に通っているのは、自分と同じ賃貸経営をしている人が多いことから、同じ悩みを持つ仲間ができます。

また、講師から体験に基づくアドバイスなども受けることができるので、講座に通うだけでも価値があります。経営に役立つ知識を学ぼうという意識の高い人たちとのつながりができることは、今後の経営にもきっと役立つはずです。

不動産実務検定の試験の概要

不動産実務検定には1級と2級がありますが、受験資格は特にありません。誰でも受験が可能です。コンピューターによる試験なので、即日結果がわかります。ほぼ毎日受験が可能ですから、準備が出来次第、自分のタイミングで受験できるのが大きなメリットです。

各級とも50問中35問の正解で合格です。合格率は2級でおよそ8割、1級でおよそ5割となっており、不動産系の資格の中ではかなり高めです。

試験を受ける方法が2つありますので、どちらか受けやすい方を選択しましょう。

認定講座と修了試験を受けるパターン

1つは、認定講座を受講するパターンです。全国で開催されている認定講座に申し込み、12時間の授業を受講します。1級、2級両方受けたい場合は24時間になります。

【受講料】

  • 1級講座:96,580円
  • 2級講座:40,480円

受講終了後に修了試験を受けて合格すると、1級または2級の認定が受けられます。修了試験は、もし不合格でも再受験が可能です。

認定講座を受けるメリットは、修了試験が5問免除となる点です。免除があるとないとでは合格率が1割違うといわれていますので、もし講座を受ける時間的な余裕があれば受けてから受験したほうが断然有利です。通学講座とホームスタディー講座がありますので、ライフスタイルに合わせて選択しましょう。

なお、修了試験を受けるためには出席率、宿題の提出率がともに70%以上という条件があります。

検定試験を一発受験するパターン

認定講座を受講しなくても、一般受験が可能です。本などを使って独学で試験に臨みます。全国126ヶ所以上で試験が随時行われていますので、予約をすればいつでも受験可能です。合否は即日わかります。

認定講座を受けていませんので、試験問題の免除などはありません。1級、2級ともに50問・60分の試験が行われています。

独学で合格できないわけではありませんが、不動産実務検定はもともとまっさらな人を想定していません。不動産投資をしてみようと思って勉強しているけれど体系的な学習ができないと感じる人や、すでに不動産を持っているけれど経営がうまくいかない人、または税理士やファイナンシャルプランナーなど何らかの形で不動産や投資に関わっている人のための資格です。

ですから、全く知識ゼロの状態で独学で学ぶのは時間がかかります。もし時間があるなら、認定講座を受講するほうが合格への近道となるでしょう。

試験合格後は一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)に入会

1級、2級に合格した後は一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)にの会員となることで、資格認定となります。

  • 入会金:5,000円
  • 資格認定料:5,000円
  • 年会費:5,000円

が必要となります。

会員になると全国で開催されている勉強会に優待価格で参加できます。

まとめ:不動産実務検定は賃貸オーナーに役立つ専門資格

不動産実務検定(旧大家検定)とは、不動産投資をしている人や賃貸経営を行っている人のための資格です。不動産に関する法律や税金の知識だけでなく、賃貸経営に必要な実務の知識なども身につけられます。

受験資格は特にありませんので、誰でも受験が可能です。1級、2級ともに認定講座を受講してから修了試験を受ける方法と、独学で検定試験を受ける方法があります。修了試験は5問免除がありますので、時間が許すなら認定講座を受講したほうが試験が楽になります。

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